公開日:2026/07/03
【モデルケース】FAX注文書の手入力から卒業へ。AI OCRで受注業務を効率化する方法【前編】
FAX注文書の手入力は、企業の成長を妨げる「見えないコスト」になっていませんか?
製造業では、デジタル化が進んだ現在でも、FAXや紙の注文書による受発注業務が数多く残っています。
取引先によって帳票の様式は異なり、FAXで届く注文書には手書きの追記やかすれ、傾きがあることも珍しくありません。そのため、多くの企業では担当者が注文内容を一件ずつ確認し、販売管理システムへ手入力しています。
この業務は長年当たり前に行われてきましたが、近年では人手不足や働き方改革、DX推進の流れを受け、「本当に人が入力し続ける必要があるのか」という見直しが進んでいます。
実際、受注業務の現場では次のような課題が発生しています。
- 毎日届く注文書の入力だけで数時間かかる
- 入力ミスによる再確認や修正作業が発生する
- 月末や繁忙期には残業が常態化する
- ベテラン担当者しか処理方法が分からず属人化している
- データ分析や顧客対応など、本来取り組むべき業務に時間を割けない
これらは個別の問題ではなく、多くの製造業が共通して抱える経営課題です。
こうした課題の解決策として注目されているのが、AI OCRを活用した帳票データ化です。
本記事でご紹介するモデルケースについて
本記事は、製造業でよく見られる業務フローをもとに構成したモデルケースです。
実際の企業名や導入実績ではありませんが、多くの製造業で共通する業務課題をもとに、AI OCRを導入した場合の改善イメージをご紹介します。
※効果は帳票の種類や運用方法、既存システムとの連携方法などによって異なります。
モデル企業の概要
今回のモデル企業は、全国に取引先を持つ部品メーカーを想定しています。
| 項目 | 内容 |
| 業種 | 製造業(部品メーカー) |
| 従業員数 | 約120名 |
| 年間売上 | 約40億円 |
| 受注担当者 | 4名 |
| 月間注文書 | 約8,000件 |
| 受注方法 | FAX・メール添付PDF・紙帳票 |
注文書は取引先ごとにフォーマットが異なります。
ある会社は横型、別の会社は縦型、FAX専用様式やExcelを印刷した帳票など、レイアウトは統一されていません。
そのため、担当者は注文番号、商品コード、数量、納期などを目視で確認しながら販売管理システムへ入力していました。
「入力作業」だけでは終わらない、本当の業務負担
一枚の注文書を入力する時間は約2〜3分。
一見すると短時間に思えますが、月8,000件になると話は変わります。
仮に1件あたり2.5分かかる場合、
8,000件 × 2.5分 = 約20,000分
つまり、毎月約333時間が入力作業だけに費やされる計算になります。
しかし、現場の負担は入力時間だけではありません。
例えば、
- FAXの文字が読みづらく確認が必要になる
- 数量や品番の入力ミスに気づき再入力する
- 営業担当や取引先へ電話確認を行う
- 修正履歴を残し、再チェックを実施する
といった作業も日常的に発生します。
さらに、月末や繁忙期には注文が集中し、残業時間が増える要因にもなります。
入力業務は「単純作業」と見られがちですが、実際には多くの時間と人的コストを消費する重要業務なのです。
AI OCRは「入力する仕事」を「確認する仕事」へ変える
AI OCRは、人が帳票を一文字ずつ入力する代わりに、必要な情報を自動で読み取り、データ化する仕組みです。
例えばrikamiを活用した場合、一般的な業務フローは次のようになります。
従来の業務フロー
FAX受信
↓
注文内容を確認
↓
販売管理システムへ手入力
↓
ダブルチェック
↓
登録完了
AI OCR活用後のイメージ
FAX受信・PDF受領
↓
rikamiへ取り込み
↓
AIが注文番号・商品コード・数量・納期などを抽出
↓
担当者が内容を確認・必要に応じて修正
↓
CSVデータとして出力
↓
販売管理システムへ取り込み
大きな違いは、「入力」が「確認」に変わることです。
担当者はゼロから入力するのではなく、AIが抽出したデータを確認する役割へシフトします。 その結果、作業時間の短縮だけでなく、入力ミスの削減や業務品質の向上も期待できます。
モデルケースで見る導入効果
以下は、一般的な製造業を想定したモデルケースです。
| 項目 | 導入前 | 導入後(モデルケース) |
| 月間注文書処理件数 | 8,000件 | 8,000件 |
| 入力作業時間 | 約333時間 | 約80時間 |
| 入力作業の割合 | 高い | 大幅に削減 |
| 入力ミス対応 | 都度発生 | 大幅に減少 |
| CSV作成 | 手作業 | 自動出力 |
| 帳票検索 | 紙ファイルを確認 | データ検索ですぐ確認 |
※上記は一般的な業務フローをもとにしたモデルケースであり、実際の効果を保証するものではありません。
AIは人の仕事を奪うのではなく、人が価値を発揮する時間を増やす
AI OCRという言葉を聞くと、「人の仕事がなくなるのでは」と不安を感じる方もいるかもしれません。
しかし、多くの企業が期待しているのは、人を減らすことではありません。
入力作業に追われていた時間を、
- 顧客対応
- 納期調整
- イレギュラー案件への対応
- 業務改善
- データ分析
- 品質向上
といった、人だからこそ価値を発揮できる仕事へ振り向けることです。
人手不足が深刻化する現在、「採用で解決する」のではなく、「AIと人が役割分担する」ことが現実的な選択肢になりつつあります。 AI OCRは、その第一歩となる仕組みの一つです。
ここまでのまとめ
FAXや紙の注文書を手入力する業務は、一見すると小さな作業の積み重ねですが、年間で見れば数千時間規模の工数になることもあります。
その時間は、企業にとって大きな機会損失です。
AI OCRを活用することで、入力業務を効率化し、担当者はより付加価値の高い仕事へ時間を使えるようになります。
次回の後編では、rikamiがどのような帳票に対応し、どのような企業に適しているのか、導入前に確認しておきたいポイントやよくある質問を交えながら、さらに詳しく解説します。
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